臨床検査技師とは

臨床検査技師のことをもっと知って欲しい!

はたらく細胞とは Part1 赤血球

はたらく細胞って漫画・アニメ知っていますか?(キャラと実際の細胞を比較・解説してみた)

アニメの第1期は2018年7月8日から9月30日まで放送されて2021年1月からは第2期とはたらく細胞BLACKが放送中です

 

これはあなたの物語。 あなたの体内からだの物語──。 人の細胞の数、およそ37兆個(新説)。 細胞たちは体という世界の中、 今日も元気に、休むことなく働いている。 酸素を運ぶ赤血球、細菌と戦う白血球……。 そこには、知られざる細胞たちのドラマがあった 誰もが共感できる、

体内細胞擬人化ストーリー 

TVアニメ「はたらく細胞!!」

 

細胞達を擬人化させることで

とても分かりやすく、尚且つ楽しく勉強もできる学習アニメだと思います

 

このアニメが自分の学生時代に放送されていれば

血液学や微生物学がもっと楽しく勉強できたかも…🙄🙄?

 

最近、血液部門の担当になったので

また、学生時代の教科書を引っ張り出してきて 勉強しているんですが

赤血球や白血球を顕微鏡や画像集を見てるとはたらく細胞のキャラクターに見えてくるんですよね笑

 

今回は、実物の細胞とはたらく細胞に出てくる擬人化された細胞を比較して解説をしていきます

出てくるキャラクターが多いので少しづつやって行きます!

 

今回は、赤血球を比較して行きたいと思います


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血液循環により、酸素を体中に届け、
二酸化炭素を肺に運搬する。
赤血球はヘモグロビンを多く含んでいるため赤い。

(公式参照)

 

はたらく細胞」公式説明にもある通り

肺から酸素を取り込み、体の隅々の細胞に運び供給する役割を担い、また同様に二酸化炭素の排出を行います。

基準値は血液1µL(0.001mL)あたり

※スポイト1滴→約40μL

男性:435~555万個
女性:386~492万個

 

凄い数ですよね!!

アニメでは、擬人化してますので

1人1人ピックアップして描かれていますが

本当は満員電車のように血管内にギュウギュウです笑

赤血球の中央は凹になっているので

折れ曲がることができ、細い血管を通り抜けたり、血管から組織へ容易に抜け出やすくなっています。

 

寿命は約120日で、脾臓や肝臓などのマクロファージに捕捉され分解されます

健康診断などでは

赤血球数はRBCと略されています

※R:RED   B:BLOOD   C:Cell

 

それでは

顕微鏡でみた時はどう見えるのか見てみましょう…🔍

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赤い丸の細胞が赤血球です

赤血球の大きさは約8μmです

 

この赤血球が血管内で細胞、臓器に酸素を運んで末端から二酸化炭素を肺に戻しているんです

24時間365日休みなく働いて120日で寿命を迎えると考えると

まさに、BLACK企業ですね笑

 

アニメにも出てきますが過度なアルコールの摂取や睡眠不足、喫煙など自分で自分を痛めつけてるんです。

細胞達が悲鳴を上げています😭pien

身体を労うって大切です

自分の身体をブラック企業にしないでくださいね笑

 

そして、この赤血球が少なくなることを

貧血といいます

貧血になると全身に酸素が送れなくなってしまうために立ちくらみ、息切れ、めまい、ふらつき、頭痛、胸の痛み、 動悸  、疲労感などの症状が出ることがあります

それを補うために輸血をすることもあります

貧血の理由は様々ありますが長くなるのでその話はまた、今度に🙌

 

どうですか?

何となく赤血球を身近に感じていただけましたでしょうか?

自分の身体をこの赤血球が巡っていると考えるとちょっと不思議ですよね🤔

 

自分は心臓の超音波検査も行っているんですが

血液を全身に送るポンプの役割を担っているの臓器が、心臓なんです!

 

本当に人の身体って面白いですよね!

こんな感じで、アニメに出てくる細胞達を

解説して行きたいと思います

 

漫画・アニメも

これを機会に是非読んでいただけたらと思います!

アニメ、「はたらく細胞!!」「はたらく細胞BLACK」は絶賛放送中です!

ではまた、宜しくお願いします

 

 

はたらく細胞(1) (シリウスKC)

はたらく細胞(1) (シリウスKC)

  • 作者:清水 茜
  • 発売日: 2015/07/09
  • メディア: コミック
 

 

 

 

どうして血液検査は時間がかかるのか?

具合が悪いのに病院で、何時間も待たされた経験皆さん1度はありますよね?

どうして時間がかかるんでしょう?

外来が混雑していて患者さんの人数が多いために診察が長くなることや

レントゲン、MRI、超音波検査の順番待ちで時間がかかったり

様々な理由が考えられますよね

 

でも、検査技師をしていて患者さんに言われるのが

私、血液検査だけだったのに1時間も待たされたんですけど…」

ホントによく言われます

 

患者さんだけではなく

「○○さんの検査あと何分です?」って電話は

看護師さんからもよくきます…😖笑

 

当たり前ですが

サボっているわけでも、忘れていた訳では決してありません!!

 

どうしても、検査室ってブラックボックス化されがちで

患者さんもですが看護師さんや他のコメディカルもなかなか検査室に入る機会がないもので

検査をする仕事なのは知ってるけど

「機械に乗せてスイッチ押すだけって誰でも出来るじゃん!」

「患者さんが居ない時や検体がない時は何してるの?」

等など病院内外からよく言われてしまう部署なんです

その辺の話はまた今度するとして…

 

皆さんの血液が採血室から検査室へ搬入された後、検査結果が出るまでのブラックボックスの中を解説していきたいと思います!!

 

その前に、採血した時に…

〘 2本~3本もなんでそんなに採血必要なの? 〙

〘 血液そんなに採るの?😭😭〙って思いませんか?

それは、採血管によって測定できる検査項目、(採血管の中に入っている抗凝固剤)が違うからなんです

主な採血管としては

生化学(分離剤):黄色
血算(EDTA入り):紫
血糖(フッ化Na):灰  

があります。それぞれ分析機器が違い検査材料が全血か血清か血漿かによっても変わります

 

検査室にこれらの採血管が搬送されて来たら

①受付業務

採血管の本数に間違いがないか、採血量、何時何分に検査室に搬送されたかを確認します

病院や施設によって様々ですが大体はバーコード管理されています

 

②血算の検体を分析機器にかけます

血算は、貧血や白血球、血小板を調べる検査です 所要時間:5分~10分

 

③血糖の採血管を遠心分離機(5分)にかけて血球成分と血漿を分離し血糖の分析機器で測定します血糖の他によく耳にする糖尿病の検査項目であるHbA1cの検査もこの採血管で実施します(全血)  所要時間:15分~20分

 

④生化学の検査では血清を使用します

そのため血液が完全に凝固するまで待ち(10~15分)、その後に遠心分離機(5分)を行います。

そして、分析機器にて測定します。(10分)

アルコールの摂取により上昇するγ-GTや

通風の原因になる尿酸値、たんぱく質などを測定します  所要時間:30~45分

 

他にも感染症検査や腫瘍マーカーなど検査がある場合は生化学の採血管を使用し免疫の分析機器で測定(約20分)の時間がかかります

 

⑤測定結果が出たら

検査技師が数値を確認し、時系列と乖離していたり、数値が異常に高い、低い場合には再検査を行います(再検査 生化学 約10分)

 

これを約1時間で各部門の検査技師が行っていますどうですか?裏ではこんなことをしてたんです。ただ検査機器にかけるだけではなく

遠心分離の作業があるために特に生化学・免疫検査は時間がかかります

また、異常値が出た場合には分析機器の数値が正しい値なのかどうかなどカルテやドクターに確認した上で臨床側へ報告するために時間がかかることもあります

 

大学病院では500~1000件/day行っています

うちの病院では100件程度です

今度、採血検査がある時は

この採血管はどの部門の検査かな?

今、何をしている所かな?

と想像してみてくださいね笑

 

検査室のことや検査技師のことを

書いて皆さんの理解が少しでも深まり

興味を持っていただけるといいなという気持ちで書いてみました

なんでそんなに時間がかかるんだ😡!

と怒る人が少しでも減ってくれたら嬉しいです…😭😭笑

見えないところで頑張っています臨床検査技師

こんな感じでまた、発信して行けたらと思います、よろしくお願いします🙌🙌

臨床検査技師とは

臨床検査技師は、厚生労働大臣都道府県知事が指定した3年もしくは4年制の臨床検査技師の専門過程修了することで、受験することができる、国家資格です。

 

第 66 回(2020年)臨床検査技師国家試験の結果は 受験者数は、 前年比 0.8%アップの 4,854 人。 合格者数は 4.1%ダウンの 3,472 人で、合格は 71.5%でした。

※ちなみに、看護師国家試験(2020年)合格率は89.2%(昨年89.3%)

 

医師の指示の下に検査を実施する仕事です

業務内容を説明すると

検体検査

・血液→貧血、白血球

・生化学→電解質酵素、蛋白、糖、脂質

・免疫→感染症腫瘍マーカー

微生物検査

生理検査

・心電図

・超音波

病理検査

遺伝子検査

などなど列挙しきれないほど沢山の業務がありますが働く場所によっても業務が変わります

 

病院や検査センター、クリニックなどの特色により大学病院などの施設では専門的な知識や資格を有すスペシャリストとして、小さな病院であれば専門部署を持たず臨機応変に全ての検査をこなす臨床検査技師もいます🙌

クリニックではMRI、採血もしたり…

近年では胚培養士も人気です

 

私はどちらかと言えば後者で300床程度の公立病院に勤務していて

血液検査を行いながら5領域の超音波検査をしています

もう8年目だというのに毎日のように新しい発見があり日々勉強、勉強です…

 

長々と書いてしまいましたが

結局何が言いたいかといいますと

臨床検査技師知名度が低すぎるということ!笑

 

超音波検査をしても、DrやNsと間違われ

検査技師と言うと

「レントゲンとかMRIとか撮る人?」と

放射線技師と間違われたり…🙄

 

2016年にドラマ化された

フラジャイル 病理医岸京一郎の所見

では臨床検査技師が登場しています
病理検査がピックアップされてました

手術で摘出された臓器や腫瘍などをパラフィンで包埋して3~4μm(0.003~0.004mm)の薄さに薄切して、染色をします

それを、岸先生が鏡検して診断をするわけです

切片が上手く出ていなかったり染色が悪かったりすると大変なことになります😖😖😖

実習病院で練習させてもらいましたが

一長一短でできるような技ではありませんでした

病理に携わる技師さんは、特に職人気質の方が多いイメージがあります

 

1人で大学病院の病理を回すのは

人間技ではありません🤔🤔

きっと森井くんは特別な訓練を受けているんですね笑

さすが、スーパー検査技師!!

漫画は、19巻まで発売されています

臨床検査技師に興味ある方はどうぞ読んでみて下さい

 

今なら第1巻をKindle版で無料で見ることができます

確認してみてくださいね🥰

 

医療従事者が読んでも、筆者の専門知識には驚かされます

自分の体験とリンクすることがあって感涙してしまったことも…

それくらい完成度高いです

患者さんのために仕事、勉強頑張ろうって改めて思いました!

 

このブログをきっかけに臨床検査技師を目指している方、臨床検査技師の方、他の医療従事者の方などなど繋がって行けたらいいなと思います

 

真面目に書くのは最初だけだと思います笑

これからは、日々の業務内容や趣味のことを

備忘録程度に書く予定です

どうぞ宜しくお願いします